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東京メトロ03系は1988年に登場した通勤電車である。東京メトロの前身、営団地下鉄時代から日比谷線で活躍を続け、途中5扉車の導入、東急東横線からの直通廃止などを経るも、2020年オリンピックを前に引退した。

先に日比谷線から引退していた東急1000系と同様、18m級車体の需要は高く、3社に譲渡が行われた。

この譲渡の際、短期間ながらも東京メトロ時代の姿を色濃く残した状態で運用されていた。その姿こそが幻の姿である。

熊本電鉄03系

熊本電鉄03形は03系初の譲渡車であり、東京メトロにとっては01系に次ぐ、2度目となる車両譲渡が行われた。熊本電鉄への譲渡に際し、スカートの装着、パンタグラフの増設、モーターの搭載、ワンマン運転に伴い必要な設備が搭載された。しかし、最初に導入された03形はスカートの装着は行われないまま運用に付いた。2両編成、パンタグラフの増設、ミラーの設置で外観が大きく変わっていたにも関わらず、帯色変更が行われていなかったため、東京メトロ時代にはありえない姿となり、異彩を放っていた。

20194月に運行開始し、7月まではスカートなしのまま運用されていた。わずか4か月のみの姿であったが、印象に残る活躍であった。

ちなみにこの後に導入された03形はスカートがつけられた状態で試運転・営業運転が行われたが、2021年3月に03形2本目となる32編成のスカートが外され、他の03形とともに撮影会が行われている。




画像引用元
Hidechan303氏撮影